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by movie4life
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我が至上の愛 ~アストレとセラドン~

5世紀のローマ時代。純粋な愛を育む羊飼いの少女アストレと青年セラドン。しかしアストレは、祭の日に別の女性と踊っているセラドンを見て、浮気をしたと疑い「私の前にもう二度と現れないで欲しい」と拒絶してしまう。絶望したセラドンは入水自殺を図るが、ニンフ(精霊)に助けられ、一命を取り留めていた。その端麗な容姿からマダムに気に入られ、村へ戻ることを許されないセラドン。彼を兄のように慕うレオニードの計らいで、マダムの城から脱出するが、アストレの言葉を忠実に守り、彼は村に戻ることなく森で暮らし始めるのだった・・・。

この映画で、長編映画の製作引退をコメントしているエリック・ロメール監督の作品。
本作品は、17世紀にオノレ・デュルフェという作家に書かれた「アストレ」が原作で、恋人たちのひたむきな愛の物語をユーモアと官能を織り交ぜて描かれている。

監督はインタビューの中で、「その原作の会話が持つクラシックかつ美しい言葉を発見し、その会話の現代的な響きに驚き、映画化を決心した」とコメントしている。また、自身の映画の哲学について、「映画が真の意味で成功作となるためには、製作途上において作品にとって本質的な何かに作品そのものが出会わなければならない、という考え方である。そして、偶然には幸福な偶然しかありえないと信じることが大切である。<<私の作品においては、すべてが偶発的であり、例外は偶然のみである。>>」ということを述べられている。(つまり、自分の作品では偶発が常態になっているということ。)

そこで、「現代人の」私の感想だが、この作品の「美しいとされる会話」は、退屈なセリフの連続以外の何物でもなかった。監督が映画の哲学で述べられている、過去の数々の作品では出会うことができた「幸福な偶然」に、この作品では不幸にも出会えなかったように思う。

ロメール作品で多くの感動を貰ってきた私にとって、この作品が最後の作品となることは、大変悲しいことであり残念なことである。
評価:★★★★
>>公式サイト
我が至上の愛 ~アストレとセラドン~_c0186202_22534069.jpg

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by movie4life | 2009-04-04 00:13 | ワ行