おすすめ映画のレビュー・批評やランキングを紹介します!!過去に観た映画のレビューも追加していきます。お楽しみに!


by movie4life
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

ミルク

1972年、ニューヨーク。金融業界で働いていたハーヴィー・ミルクは、20歳年下のスコットと出会い恋に落ちる。2人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、カストロ地区と呼ばれる地域で小さなカメラ店を開く。やがてそこは同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクたちは彼らを快く思わない保守派に対抗して新しい商工会を結成する。社会的弱者のために積極的に活動するようになった彼は、次第に政治に目覚めていき、ついにはサンフランシスコの市政執行委員に立候補する・・・。

同性愛者であることを公表し、あらゆるマイノリティの社会的地位向上のために、米国史上初めて公職に就いた政治家ハーヴィー・ミルクの半生を描いた伝記ドラマ。
アカデミー賞主演男優賞を受賞したミルク役のショーン・ペンが、「ハーヴィー・ミルク」自身の癖や声を完全にマスターし、同性愛者になりきって演じている。
スコット役のジェームズ・フランコは、ミルクを愛して、嫉妬して、そして別れても見守り続けるという複雑な役を熱演している。「スパイダーマン」シリーズでしか知らなかった彼の役者としての別の一面を再確認することができた。
ダン・ホワイト役のジョシュ・ブローリンが、同じ市政執行委員で脚光を浴びるミルクに対して、敬虔なキリスト教徒であり、ミルクと常に対峙しながら選挙区民との間で板挟みとなり、ストレスを蓄積させていく男を演じている。本作とは直接関係ないが、「ノーカントリー」への出演など、最近活躍著しい彼のデビュー作が、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の「グーニーズ」の子役の1人だったことを知って驚いてしまった。

ミルクが過ごした濃密な8年間を、ガス・ヴァン・サント監督が、当時の映像も交えながら丁寧に描いた作品である。
しかし私が鑑賞してイマイチ感動できなかったのは、本作のエンドクレジットでも謝辞が述べられている1984年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞のロバート・エプスタイン監督の「ハーヴェイ・ミルク」の存在である。時おり挿入される当時の映像も、この優れたドキュメンタリー映画を観ているので、本作自体を「ドキュメンタリー風の」中途半端な映画に感じてしまった。特に、クライマックスのキャンドル・ライトのマーチも、本物が持つ映像のパワーには遠く及ばないと強く感じた。

とはいえ、本作ではあまり知られていないミルクの政治活動以外のプライベート(ミルクの40歳の誕生日を祝うシーンがあるが、スコットと出会ったのは1970年だったのだろうか?それとも、このシーン自体フィクションなのだろうか?)について赤裸々に描かれていること、同性愛者の教職員を解雇できる法律「提案6号」のエピソードが、昨年投票にかけられた同性婚禁止の法律「提案8号」に重なって見えること、またアメリカ初の黒人大統領が選ばれたことなど、もう1度「ハーヴィー・ミルク」という偉大な人物について、振り返ってみるには相応しいタイミングだったように思う。

「ハーヴェイ・ミルク」というドキュメンタリー映画を観ていなければ、この映画に対する私の印象も、全く違うものになっていただろう。俳優たちの熱演が素晴らしいだけに、ドキュメンタリー・タッチではない、違った切り口での映画が観たかった。
評価:★★★★★
>>公式サイト
c0186202_21213915.jpg

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
現在、参加中です!!ぜひ1日1回クリックお願いします。
[PR]
by movie4life | 2009-04-25 00:06 | マ行