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by movie4life
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愛を読むひと

1958年、ドイツ。15歳のマイケルは、年上の女性ハンナと激しい恋に落ちる。ハンナはマイケルに本の朗読を頼み、いつしかそれが2人の愛の儀式となる。しかし突然ハンナは姿を消してしまう。
8年後、衝撃の再会が待っていた。法学生のマイケルが傍聴した裁判で見たのは、戦時中の罪に問われるハンナだった。彼女は「ある秘密」を守るために、不当な証言を受け入れて無期懲役となる。
裁判から10年、マイケルは刑に服すハンナの朗読者になることを決意していた。彼はなぜ、ハンナへの愛を本に託すことしかできないのか?自由を犠牲にしてまでも、ハンナが守る「秘密」とは?

ベルンハルト・シュリンクの世界的ベストセラー「朗読者」を、スティーヴン・ダルドリー監督が映画化した愛の物語。
ハンナ役のケイト・ウィンスレットは、本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞した。収容所の看守としての過去を持ち、物語の重要な伏線となる「秘密」を抱えたハンナという女性の、36歳からの30年間にわたる人生を熱演している。
マイケル役のレイフ・ファインズが、初恋のトラウマから抜け出せず、ハンナに献身的な愛を捧げつつも彼女の過去を受け入れられない男を演じている。
青年時代のマイケル役のデヴィッド・クロスが、ハンナと肉体を通して結ばれた恋に溺れ、再会後は彼女の秘密と過去に苦悩する青年を好演している。

ハンナが自分の生死に変えても隠したい「秘密」について、そこまで隠す必要が映画鑑賞中は理解できなかった。しかし、ダルドリー監督へのインタビューより、実際に同じような社会的ハンディを持つ人の中には、家族にも知られず一生を過ごした人もいるとのことで、大変驚かされた。

さて、この映画での最大のポイントは、ハンナの裁判でマイケルが下した「選択」だと思う。
彼は、ハンナへの愛から、命に変えても「秘密」を守ろうとする彼女を裏切れなかったのだろうか。
それとも、彼女を説得して「秘密」を告白させることで、自分が引き受けなければならないものの重さにたじろいだのだろうか。
私は、ハンナがナチズムの名のもとで犯した罪への「怒り」から、マイケルは「あの選択」を下したのだと感じた。それは、マイケルがかつてのユダヤ人の収容所を1人で訪れるシーンからも明らかだと思う。

確かにハンナは加害者である。戦後世代のマイケルには、老いたハンナと面会するに及んでも、ドイツの過去、ハンナの過去を受け入れることができていなかったのだろう。

だが、「人が人を裁く」のではなく、「法が人を裁く」のである!

それは、裁判員制度が始まった日本においても同じだと思う。
決して、「愛」や「怒り」から人を裁いてはいけないのである。
ドイツと同様、戦後が続く日本に生まれた私にも、色々と考えさせられる映画であった。
評価:★★★★★
>>公式サイト
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by movie4life | 2009-07-05 00:03 | ア行