おすすめ映画のレビュー・批評やランキングを紹介します!!過去に観た映画のレビューも追加していきます。お楽しみに!


by movie4life
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2009年 04月 25日 ( 5 )

ミルク

1972年、ニューヨーク。金融業界で働いていたハーヴィー・ミルクは、20歳年下のスコットと出会い恋に落ちる。2人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、カストロ地区と呼ばれる地域で小さなカメラ店を開く。やがてそこは同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクたちは彼らを快く思わない保守派に対抗して新しい商工会を結成する。社会的弱者のために積極的に活動するようになった彼は、次第に政治に目覚めていき、ついにはサンフランシスコの市政執行委員に立候補する・・・。

同性愛者であることを公表し、あらゆるマイノリティの社会的地位向上のために、米国史上初めて公職に就いた政治家ハーヴィー・ミルクの半生を描いた伝記ドラマ。
アカデミー賞主演男優賞を受賞したミルク役のショーン・ペンが、「ハーヴィー・ミルク」自身の癖や声を完全にマスターし、同性愛者になりきって演じている。
スコット役のジェームズ・フランコは、ミルクを愛して、嫉妬して、そして別れても見守り続けるという複雑な役を熱演している。「スパイダーマン」シリーズでしか知らなかった彼の役者としての別の一面を再確認することができた。
ダン・ホワイト役のジョシュ・ブローリンが、同じ市政執行委員で脚光を浴びるミルクに対して、敬虔なキリスト教徒であり、ミルクと常に対峙しながら選挙区民との間で板挟みとなり、ストレスを蓄積させていく男を演じている。本作とは直接関係ないが、「ノーカントリー」への出演など、最近活躍著しい彼のデビュー作が、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の「グーニーズ」の子役の1人だったことを知って驚いてしまった。

ミルクが過ごした濃密な8年間を、ガス・ヴァン・サント監督が、当時の映像も交えながら丁寧に描いた作品である。
しかし私が鑑賞してイマイチ感動できなかったのは、本作のエンドクレジットでも謝辞が述べられている1984年度アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞のロバート・エプスタイン監督の「ハーヴェイ・ミルク」の存在である。時おり挿入される当時の映像も、この優れたドキュメンタリー映画を観ているので、本作自体を「ドキュメンタリー風の」中途半端な映画に感じてしまった。特に、クライマックスのキャンドル・ライトのマーチも、本物が持つ映像のパワーには遠く及ばないと強く感じた。

とはいえ、本作ではあまり知られていないミルクの政治活動以外のプライベート(ミルクの40歳の誕生日を祝うシーンがあるが、スコットと出会ったのは1970年だったのだろうか?それとも、このシーン自体フィクションなのだろうか?)について赤裸々に描かれていること、同性愛者の教職員を解雇できる法律「提案6号」のエピソードが、昨年投票にかけられた同性婚禁止の法律「提案8号」に重なって見えること、またアメリカ初の黒人大統領が選ばれたことなど、もう1度「ハーヴィー・ミルク」という偉大な人物について、振り返ってみるには相応しいタイミングだったように思う。

「ハーヴェイ・ミルク」というドキュメンタリー映画を観ていなければ、この映画に対する私の印象も、全く違うものになっていただろう。俳優たちの熱演が素晴らしいだけに、ドキュメンタリー・タッチではない、違った切り口での映画が観たかった。
評価:★★★★★
>>公式サイト
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by movie4life | 2009-04-25 00:06 | マ行
南ボストン。ウィルは、マサチューセッツ工科大学で清掃員のバイトをしている。親友のチャッキーたちと、たびたび警察沙汰の事件を起こしたりするが、実は数学に異様な才能を見せる天才だった。ウィルはたまたま清掃中の廊下で見た黒板の数学問題を解いてしまう。彼の才能に気付いた数学教授のランボーはウィルのセラピストとして精神分析医のショーンを紹介する。最初の面談では、ショーンを逆に分析してみせ、彼を激怒させたウィルだったが、ショーンの真摯な態度に次第に心を開いていく。そして、ウィルの噂を聞きつけた企業や機関が、彼に接近してくる・・・。

不幸な少年時代のトラウマをかかえる青年と、最愛の妻を亡くしたことで心に深い傷を負った精神分析医との心の交流と新たな旅立ちを描いた感動作。
主演のマット・デイモンと共演のベン・アフレックは、デイモンが10歳、アフレックが8歳のときから、南ボストンで共に育った親友同士。アカデミー賞脚本賞に輝いた脚本は、デイモンがハーバード大学在学中に40ページまで書き進めたシナリオを、アフレックに見せたことから共作が始まる。彼らは、各シーンを演じながらストーリーやキャラクターをふくらませていき、2年がかりで脚本を書き上げた。

マット・デイモンは、恵まれない過去と恵まれすぎる頭脳を持ったがゆえに、孤独にさいなまれるウィルをナイーブに演じている。
本作でアカデミー賞助演男優賞を受賞したロビン・ウィリアムズは、ウィルに人生を諭しながら、自らも新しい旅立ちへ促されていくショーンを演じる。「知識」と「体験」は違うというセリフが身にしみた。
ベン・アフレックは「お前は宝クジの当たり券を持っていながら、それを尻に敷いたままでいる気か?」と言い放つ親友のチャッキーを演じる。この熱い友情を見せるシーンの演技が素晴らしい。
ミニー・ドライヴァーは、ウィルと恋に落ちるハーバードの女子大生スカイラーを、知性と包容力に溢れたキャラクターで瑞々しく演じている。
ステラン・スカルスガルドは、ウィルを発見し、やがて彼の圧倒的な頭脳を前に脆くも動揺するランボーを演じている。
ガス・ヴァン・サント監督は、見事な脚本と俳優陣の熱演を尊重し、過剰な演出を控えた正攻法の作品に仕上げている。

この映画は、心に負った傷を癒すのは、容易ではないということを教えてくれる。
「いじめ」や「虐待」、「DV」などを行なう「心の弱い人」と、心に傷を負った「これから人生に立ち向かっていく人」にぜひ見てもらいたい作品。
1998年度 キネマ旬報ベストテン 第7位。
評価:★★★★★
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グッド・ウィル・ハンティング(実際のDVDと、上記の画像とは異なる場合があります。)

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by movie4life | 2009-04-25 00:04 | カ行

誘う女

地元TV局のお天気キャスター、スーザンは「TVに映らなければ生きている意味がない」という、シンプルかつ強烈な人生観の持ち主。目標は世界に通用する花形キャスターだった。そんな彼女に、善良な夫のラリーはメロメロ。彼女がドキュメンタリーの素材として選んだ高校生の3人も同じだった。しかし、目的達成に夫が邪魔になることに気づいた彼女は、ある計画を思いつく・・・。

アメリカで実際に起こった殺人事件を元に、ガス・ヴァン・サント監督が手がけたサスペンス。
純真さと残忍性を併せ持ち、目的達成のためなら手段を選ばない女スーザン役をニコール・キッドマンが体当たりで演じる。
スーザンに誘惑され、彼女の虜となるジミー役は故リヴァー・フェニックスの弟ホアキン・フェニックスが演じる。監督の作品には、兄・姉に続いての出演となる。
湖畔の男役で、デヴィッド・クローネンバーグ監督が出演しているのが、いかにもこの監督らしい。
ドキュメンタリー・スタイルをとっている本作。TVを中心としたマスメディアの危険性を、シニカルに描いている。ラストのラリーの姉の氷上でのダンスが、印象に残る・・・。
評価:★★★★★
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by movie4life | 2009-04-25 00:03 | サ行

カウガール・ブルース

人一倍大きな親指を持つ少女シシーは、生理用品会社のモデルであり、史上最強のヒッチハイカーでもある。シシーにとってヒッチハイクは精神的な聖域に達するものだった。ある日、オーナーのカウンテスはシシーを新製品のCM撮影のため、所有するラバーローズ牧場へ送る。シシーは、牧場で働く自由奔放なカウガールたちや、洞窟で隠遁生活を送るチンクと出会うことで、刺激を受けるが・・・。

シシー役のユマ・サーマンが、男性社会にとらわれない、精神の自由と真実の愛に目覚めていくヒロインを演じるロード・ムービー。ヒッチハイク・シーンが大変ユニーク。
カウガールのリーダー、バナンズ役を故リヴァー・フェニックスの妹レイン・フェニックスが演じる。
ただ作品としては、万人受けする内容ではないと思う。個人的には、k・d・ラングの音楽がよかった!
ガス・ヴァン・サント監督作品。
評価:★★★★★
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by movie4life | 2009-04-25 00:02 | カ行
ポートランドの街角に立ち、男性に体を売って暮らしている青年マイク。彼は、緊張すると眠ってしまうという、重症のナルコレプシー病でもあった。自分を捨てた行方不明の母親を捜すため、市長の息子で、同じく男娼のスコットと共に、バイクで兄リチャードが暮らす故郷アイダホへと向かう。手がかりを追ってスネーク・リバー、そしてイタリアまで旅する2人。しかし2人はイタリアで、お互いの進むべき道の決定的な違いを思い知らされる・・・。

マイク役のリヴァー・フェニックスが、繊細さや、ナイーブさ、孤独感を全身で表現している。この作品で、リヴァー・フェニックスは永遠の輝きを手に入れた。
同性愛、近親相姦といったショッキングな内容をバックグラウンドにしながら、「家への回帰」を詩的な映像で描いたロード・ムービーの傑作。
ガス・ヴァン・サント監督作品。
評価:★★★★
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マイ・プライベート・アイダホ デジタルリマスター版2枚組【初回限定生産 メモリアル・フォト集付】 [DVD](実際のDVDと、上記の画像とは異なる場合があります。)

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by movie4life | 2009-04-25 00:01 | マ行