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おすすめ映画のレビュー・批評やランキングを紹介します!!過去に観た映画のレビューも追加していきます。お楽しみに!


by movie4life
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まぼろし

↓↓↓本日(2009/08/17)UP↓↓↓
まぼろし_c0186202_2282729.jpg結婚生活25年目の50代の夫婦マリーとジャン。子供はいないが幸せな2人は、毎年夏になると訪れているフランス南西部のランド地方の別荘にやってくる。しかし、人気のない海辺でマリーが眠っている少しの間に、海に入ったはずのジャンが行方不明になってしまう。ヘリコプターを使った警察の捜査でも手がかりはつかめない。数日後、パリに戻ったマリーだが、やがてジャンの幻が見えるようになり・・・。

フランソワ・オゾン監督が愛する伴侶を突然失った女性の深い喪失感を描いた作品。
マリー役のシャーロット・ランプリングが、今なお衰えぬ美しさを漂わせて、哀しみに耐え死を受け入れていく女性を存在感たっぷりに演じている。特に、新しくできた恋人とベッドを共にするシーンで、「あなたは軽いのよ・・・」と笑い出すシーンは圧巻である。まさに、彼女の存在抜きでは考えられない作品である。

ラストシーンで、遠くの海岸線に見えるジャンのまぼろしに向かって、マリーは走り出す。
この美しくも、哀しいラストシーンが、何ともいえない余韻を残す作品である。
2002年度 キネマ旬報ベストテン 第5位。
評価:★★★★★
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# by movie4life | 2009-08-17 00:01 | マ行

過去のない男

↓↓↓2009/08/16 UP↓↓↓
夜行列車でヘルシンキに着いた一人の男。彼は突然暴漢に襲われて、瀕死の重傷を負う。奇跡的に一命は取り留めるものの、過去の記憶を全て失っていた。しかし、幸運にもそんな彼にコンテナで暮らす極貧の一家が手を差し伸べ、男は彼らと穏やかな生活を送り始める。やがて、日雇い労働をして暮らすようになった彼は、救世軍で働く女性イルマと出会い、心を通わせていく・・・。

過去の記憶を失った男が新しい人生を歩いてゆく様を描いた、アキ・カウリスマキ監督によるユーモラスな感動作。
過去のない男を、マルック・ペルトラが演じる。
イルマ役を、カウリスマキ作品の常連カティ・オウティネンが演じ、2002年カンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞している。

恋心の芽生えとともに、救世軍主催のロック・コンサートを企画したりと、男が行動的になっていく様子が淡々と描かれており、素晴らしい。
全編に流れるフィンランドのムード歌謡(イスケルマ)の名曲の数々とともに、挿入歌として流れるクレイジーケンバンドの「ハワイの夜」が印象的である。
人にとって過去の記憶は、その人の人格を形成する上で、とても重要だと思う。でも、それ以上に大切なのは、現在を精一杯に生きて、未来に生きることである。自分が年老いても、出来る限りそういう生き方をしたい。そんなことを感じさせる映画であった。
2002年度 キネマ旬報ベストテン 第7位。
評価:★★★★
過去のない男_c0186202_21473498.jpg
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# by movie4life | 2009-08-16 00:01 | カ行

鬼が来た!

↓↓↓2009/08/15 UP↓↓↓
第二次世界大戦末期、中国・華北の寒村。ある夜、マーの家に「私」と名乗る拳銃を持った男が訪れて、麻袋を2つ押しつけていく。1つには日本兵の花屋が、もう1つには中国人通訳トンが入れられていた。マーは彼らを晦日まで預かるように脅されたのだが、約束の日を過ぎても「私」は現れない。村人たちは彼らの扱いに戸惑いつつも、次第に心を通わせていき・・・。

日本侵略下における中国人と日本人の関係を、ときにユーモラスに、そして凄惨に描いたチアン・ウェン監督・主演作品。
マー役のチアン・ウェンが、突然の災難に困惑する男を演じている。
花屋役の香川照之は、捕虜としての滑稽さと、兵隊としてに残忍さを見事に熱演している。

前半のほのぼのとした展開に対して、後半の日本軍と村人たちとの宴会シーン。このシーンでの「何かが起こりそうな一触即発の雰囲気」が観る者に異様な緊張感を与えている。
虐殺シーンには目を覆いたくなる。しかし、これは戦時中の日本人の行為であって、戦後の日本人である私たちには到底考えられないと言い切れるだろうか。
過去・現在・未来を通じ、日本人も中国人も関係なく「鬼」という内なる狂気を秘めた「人間そのもの」を描いた作品だと私は感じた。
2002年度 キネマ旬報ベストテン 第3位。
評価:★★★★
鬼が来た!_c0186202_2041528.jpg
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# by movie4life | 2009-08-15 00:01 | ア行

戦場のピアニスト

↓↓↓2009/08/14 UP↓↓↓
1939年9月、ポーランド。ナチス・ドイツがポーランドに侵攻し、ワルシャワのラジオ局でピアノを弾いていたウワディスワフ・シュピルマンショパンとその一家も、ユダヤ人に対する移住命令によって、ゲットー(ユダヤ人居住区)へ強制移住させられる。ゲットー内のカフェでピアノ弾きの職を得たシュピルマンは、様々な迫害に遭いながらも静かに時をやり過ごす。
1942年、一家を含む大勢のユダヤ人が、収容所へと向かう列車に乗せられる。その時、シュピルマンだけは、知人のユダヤ人警察所長ヘラーの機転で救われ、その場を逃れるのだった・・・。

実在のユダヤ人ピアニストの回想録をもとに、戦火を奇跡的に生き延びたピアニストとその生還に関わった人々の姿を描き、2002年カンヌ国際映画祭のパルムドール大賞を受賞した作品。
監督は、自身もゲットーで過ごした過酷な体験を持つロマン・ポランスキー監督。
ユダヤ人が虫けらのようにナチスの親衛隊に殺害されるシーンは、実際の体験者でなければ描けない恐怖が溢れている。

主人公のシュピルマン役をエイドリアン・ブロディが演じている。
彼は、映画の中で英雄的な行動をするわけでもなく、常に傍観者の立場で、周囲の人間に助けられながら訪れる危機をクリアして生き延びていく。多くの死の中から選ばれた、彼の生の意味は「神が彼のピアノを愛した」ということなのだろうか・・・。
2003年度 キネマ旬報ベストテン 第1位。
評価:★★★★★
戦場のピアニスト_c0186202_214862.jpg
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# by movie4life | 2009-08-14 00:01 | サ行

クリムゾン・タイド

「サブウェイ123 激突」公開記念として、トニー・スコット監督作品です。
↓↓↓2009/08/09 UP↓↓↓
クリムゾン・タイド_c0186202_22303010.jpg199X年。ロシアの国粋主義者が、シベリアの核ミサイル基地を占拠。アメリカの戦略原子力潜水艦アラバマに出撃命令が下る。
出撃から6日目、目的海域に達したアラバマは、臨戦態勢に入った。
そして出撃から12日目、アラバマのソナーが敵潜水艦の影を捉える。ペンタゴン(米国防総省)から通信が入ったその時、敵魚雷がアラバマをかすめて爆発した。通信は途中で遮断され、ミサイルの発射か中止か、はっきりしない。核攻撃命令をめぐって、艦長のラムジーと副艦長のハンターは真っ向から対立する・・・。

核戦争の危機に直面した原潜内での極限状況を、トニー・スコット監督がスリリングに描いた軍事サスペンス。
ラムジー役のジーン・ハックマンが、歴戦の叩き上げの艦長を演じる。
ハンター役のデンゼル・ワシントンが、ハーバード大卒のエリートで着任したばかりの副艦長を演じる。
武器将校ウェップス役をヴィゴ・モーテンセンが演じ、脇を固めている。

「潜水艦映画にハズレなし」と言われるが、全面核戦争を引き起こしかねない原潜を舞台に、極限状況下で二者択一を迫られる乗組員たちの人間模様が、緊迫感たっぷりに描かれる。
ジーン・ハックマンとデンゼル・ワシントンの激しい演技の応酬は、見応え十分である。
脚本にクエンティン・タランティーノがノンクレジットで参加しており、「スター・トレック」に関するエピソードは彼がリライトしたものと思われ、タランティーノらしさが出ていて、なかなか面白い。
評価:★★★★
クリムゾン・タイド 特別版 [DVD]
クリムゾン・タイド_c0186202_22431455.jpg

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# by movie4life | 2009-08-09 00:03 | カ行