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by movie4life
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生

1918年、ニューオーリンズ。ある一組の夫婦に、男の子が産まれる。しかし、その赤ん坊は80歳の老人と見まがうほど奇異な容貌をしていた。ショックを受けた男は、赤ん坊を老人養護施設に置き去りにしてしまう。そして、施設を営む黒人女性クイニーに拾われた赤ん坊はベンジャミンと名付けられ、献身的に育てられるのだった。成長するにつれ髪が増え、皺が減り、車椅子から立って歩けるようになるなど普通の人間とは逆に若返っていくベンジャミン。
やがて少年期を迎えた、1930年の感謝祭の日、ベンジャミンは将来自分の人生を変えることになる少女と出逢う。 施設入居者のフラー夫人を訪ねてきた孫娘、6歳のデイジーだった。ふたりはすぐに心を通わせ、ベンジャミンは自分の秘密を打ち明けるが、デイジーはそのことを既に魂で感じていた・・・。

あらゆる年代での演技を可能とした、ハリウッドのデジタル技術には驚かされる。しかしそれ以上に感動したのは、2人の俳優の演技である。
ブラッド・ピットが演じたベンジャミンは、人とは違う年齢の重ね方をする特殊な人物である。この人物を、人と出逢い、深く関わりながら、やがて別れていくという、「普通の控え目な男」として演じきったところに、役者としての凄さを感じた。
デイジー役のケイト・ブランシェットは、その美しさは言うまでもなく、年齢ごとにベンジャミンとの関係を理解し、受け入れていくという、心理面の変化を見事に演じきっていた。

「人は皆、出逢っては別れ、愛する者を失う。それでも、人生は素晴らしい。」
この映画と出逢って、そのことをあらためて自分に気付かせてくれた今日という日に、私は心から感謝したい。
デビッド・フィンチャー監督作品。
評価:★★★★★
>>公式サイト
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以下は、ネタバレです。
1962年、人生のちょうど真ん中で、遂にほぼ同じ年齢になった2人は、互いを慈しむように、強く優しく愛し合う。間もなく、デイジーは妊娠し女の子を出産する。しかし、日に日に若返るベンジャミンはこんな自分では父親になれないと悩み、娘の1歳の誕生日の後、家を出て行く・・・。

月日は過ぎて、病床のデイジーの前で、娘のキャロラインが、自分の誕生日にベンジャミンから毎年送られてきていたバースデーカードを、1枚1枚読み上げる。このシーンで、ベンジャミンの、愛する家族と一緒に過ごすことができなかった無念と、娘への溢れる愛情を感じ、私は胸が熱くなった。

家族と過ごす1日1日を、今まで以上に大切に過ごそうと強く感じたシーンであった。
 
 
by movie4life | 2009-02-07 00:01 | ハ行